各国の入国スタンプが押されたパスポート

世界のデジタルノマドビザ発給国11選 ── 2025年版完全ガイド

Nomadguide 編集部2025.05.312025.09.02

目次

リモートワークの広がりとともに、世界各国で続々と登場している「デジタルノマドビザ」。

しかし、「条件が良さそう」「ビザが取りやすい」だけで渡航先を決めてしまうと、あとで「税金が高い」「家族が帯同できない」「生活費が想定以上」など、思わぬ落とし穴に直面することも。

本記事では、収入要件・滞在期間・税制優遇・インフラ環境といった実用性に着目し、実際に使える11カ国のノマドビザを厳選して紹介。

欧州・アジア・中南米を横断する形で、低コスト重視派・家族帯同派・欧州拠点志向など、目的別のおすすめもわかりやすく整理しました。

比較表+注意点つきで、初めての海外ノマドも安心。あなたの「次の滞在先」がきっと見つかります。

各国のデジタルノマドビザを徹底比較

国名ビザ名滞在期間収入条件家族帯同税制・保険生活費
ポルトガルD8ビザ最長1年(最大5年)月収€3,480+貯蓄€9,840183日超で課税・保険要中〜高
スペインノマドビザ1年(最大5年)月収€2,76315%課税(4年)・保険要
ギリシャノマドビザ最大6年月収€3,500可(配偶者就労不可)183日超で課税・保険要
クロアチアノマド滞在許可1年(更新不可)月収€3,295国内所得課税・保険要
マルタノマド居住許可最長4年年収€42,000初年度非課税・保険要
イタリアノマドビザ毎年更新年収€30,000税制優遇あり・保険要
UAEバーチャルワーク1年(更新可)月収$3,500無税・保険必須
タイDTV5年(年2回180日)貯蓄50万THB183日未満非課税・保険要安〜中
マレーシアDE Rantau最大2年年$24,000〜$60,000不明国外所得免税・保険推奨
メキシコ一時居住ビザ最大4年月収$3,738 or 貯蓄$73,000183日超で課税
コスタリカノマドビザ最大1年月収$3,000(家族$5,000)中期非課税

ポルトガルのデジタルノマドビザ(D8ビザ)

ポルトガルは2022年から「Digital Nomad Visa(D8ビザ)」を導入し、非EU国籍のリモートワーカーに有効な滞在許可を与えている。

初期ビザは1年有効で、条件を満たせば最長5年まで延長可能。

申請には月収が最低賃金の4倍(2025年は約€3,480)以上であることや銀行口座に€9,840以上の残高証明が必要。

ビザ申請料は€75~180(居住許可料約€160)と設定されている。

家族帯同も可能で、その場合は配偶者に対し収入要件を50%増、子供は各15%増となる。

ポルトガルでは183日を超えると課税対象になるため、税務上の扱いに注意が必要だが、社会保障および医療保険は加入義務がある。

生活費は欧州内では中程度で、リスボン中心部の賃貸はやや高いものの地方都市は安価、ネット環境は高速でコワーキングスペースも多数あり。

現地在住者の体験談では「プロセスがわかりやすく、生活の質が高い」と好評だが、特に税申告と年金支払いなどについて事前準備を勧める声がある。

スペインのリモートワークビザ

スペインは2023年から「テレワーク(デジタルノマド)ビザ」をスタートアップ法案で整備し、外国企業に雇用されるリモートワーカーに1年の居住権を与えている。

初回ビザは1年だが、居住許可は最長5年まで延長できる。

申請には従業員の場合は企業との契約書、個人事業主は契約書や会社登記書類が必要で、収入は最低賃金の2倍超(2025年で月€2,763)が求められる。

また、申請時に旅券や無犯罪証明、健康保険の加入証明などが必要になる。

配偶者や未成年の子供は帯同可能だが、帯同者のビザは本人とは別に申請する。

税制面では、デジタルノマドビザ保有者(年収60万ユーロ以下)に対し所得税が15%に軽減される優遇措置が2023年の新法で実施された。

保険加入は必須で、スペインの公的医療にアクセスできるよう手配する必要がある。

物価はロシアや中南米より高めだが、治安やインフラは良好で、マドリードやバルセロナなどには多くのコワーキングスペースがある。

現地在住者のブログでは「手続きは概ね明瞭だが、地方の領事館では審査に時間がかかる場合もある」と指摘されている。

ギリシャのデジタルノマドビザ

ギリシャは2021年に「デジタルノマドビザ(法令4825/2021)」を導入し、国外の企業またはクライアントにリモートで従事する外国人に1年間の滞在ビザを与えている。

ビザ取得後に2年の居住許可を申請でき、さらに更新可能で最長6年間滞在できる。

申請要件には、月額収入が€3,500以上(配偶者帯同時は€4,200)であることと、健康保険証明、無犯罪証明などが含まれる。

実際にはパスポート、履歴書、所得証明、居住証明、ビザ申請書などが必要である。

家族帯同は認められ、配偶者と子供が同行できるが配偶者は就労できない。

税制上は、183日未満の滞在なら非居住者扱いで国外所得に課税されないが、183日超えると課税対象となる(ただし一部優遇措置で税率50%となる)。

物価・賃貸費用は欧州西部より安く、アテネでも1BRアパートが月€500程度から見つかる。

現地の口コミでは「ビザ申請自体はスムーズで英語対応もあるが、領事局の混雑には注意」との報告がある。

クロアチアのデジタルノマド滞在許可

クロアチアは2021年1月からデジタルノマド向けの「Temporary Stay Permit」を提供している。

非EU/EEA国籍で、国外事業者に対してリモートワークを行うフリーランスや個人事業主が対象だ。

滞在期間は最長1年で更新不可(ビザ切れ後6ヵ月経過すれば再申請可)。

申請要件としては、安定した月収が€3,295以上必要で、これを銀行残高または過去6ヵ月分の給与明細で証明する。

扶養家族を伴う場合は、1人増えるごとに必要額がクロアチア平均月収の10%増となる。

手数料は居住許可申請で約46ユーロ(カード代含む)。

国内に事業を持たないことの宣誓書や契約書、パスポート、健康保険証明などを提出する。

税務上はクロアチアの雇用先以外の収入は非課税で、医療・社会保険への加入義務もない。

物価は欧州平均より低く治安も良好。

利用者の声では「申請がオンライン可能で便利」「ザグレブは生活コストも低め」と評価されているが、更新不可なので長期滞在には計画的な再申請が必要。

マルタのノマド居住許可

マルタは2021年3月に「Nomad Residence Permit」を開始し、居住国以外で働く外国人にマルタ滞在権を与えている。

申請対象は「外国企業の従業員」「外国企業のパートナー」「外国顧客へのフリーランス」のいずれかに該当する必要がある。

所得要件は年収€42,000以上で、2024年4月以降に申請する場合はこの金額に引き上げられた(旧要件:€32,400)。

ビザ有効期間は原則1年で(場合により半年)、再申請により最長4年まで滞在可能となった。

申請料は1人あたり€300(扶養家族も同額)。

扶養家族(配偶者、未成年や扶養下の成人子供)は申請時に含められる。

税制面では、発給から12か月間マルタ国内所得が非課税(所得が国外発生の場合)となり、その後は10%の優遇税率が適用される。

入居後はマルタの公的医療等には加入せず、民間保険でカバーする必要がある。

留学・観光地としても人気が高く生活品質は良いが、特に首都に近い地域は家賃相場が高めである。

イタリアのデジタルノマドビザ

イタリアは2024年4月に外国人向けの「デジタルノマドビザ」を導入し、国外企業に属する高度人材に1年の居住権を認めるようになった。

ビザ発給後はイタリア入国後8日以内に滞在許可(Permesso di Soggiorno)を申請し、居住許可証(カード)が発行される。

要件として、「医療負担金免除基準額の3倍以上」の年収(2024年時点で約€30,000/年)が必要。

また、過去6ヵ月以上のリモートワーク経験、滞在期間全体をカバーする民間健康保険、イタリアでの居住証明が求められる。

ビザの有効期間は1年で、要件を維持すれば毎年更新可能。

配偶者や未成年の子供は申請時に含められ、同伴査証を取得できる。

課税面では、イタリアには新規居住者向けの優遇税制があり、フリーランスは低率(例:5%)の「フォルフェッタリオ制」や、雇用者・自営業者向けに所得半額免除(南イタリア居住で100%減税など)を選択できる。

現地の法律事務所記事では「迅速な審査で1~2カ月で許可」「ビザ発効後は現地銀行口座開設が推奨される」と報じられている。

UAE(ドバイ)のバーチャルワークビザ

アラブ首長国連邦(特にドバイ)は2020年から「Virtual Working Program」を実施し、外国企業に雇用される遠隔労働者に1年間の居住を許可している。

対象者は国外の会社に所属し、月収US$3,500以上を得ていることが条件で、パスポート有効期間6ヵ月以上、健康保険加入も必要。

ドバイ版では月収US$5,000以上が要求される場合もある。

ビザは自己スポンサー形式で発給され、家族帯同も可能(ドバイ申請で家族ビザがセットできる)。

最大1年のビザは更新可能で、審査も比較的短期間で済む。

UAEは所得税・住民税がないため、税務上の負担はなく、個人所得が非課税となるのが大きなメリットだ。

デメリットとしては生活費(特に家賃)が高い点が挙げられるが、ネットインフラは世界トップクラスでビジネス環境が整っている。

現地在留者によると「行政手続きがスムーズで英語対応可」「治安・医療水準が高い」と評価されている。

タイのデジタルノマドビザ(Destination Thailand Visa)

タイは2024年より「Destination Thailand Visa(DTV)」を開始し、遠隔業務従事者に最長5年(年間最大2回×180日ずつ)の長期滞在を認めるようになった。

申請条件には、活動実績の証明やタイでの口座に50万バーツ(約150万円)以上の貯蓄が必要である。

DTVは入国ごとに180日滞在可能で、年に一度もう一度180日延長できる仕組みだ。

配偶者や扶養家族も個別にDTVを取得できる。

取得にはパスポート、履歴書、職務証明、健康保険、住所証明(賃貸契約など)が必要で、タイ政府指定のオンラインプラットフォームや大使館経由で申請する。

税制上、年間180日未満の滞在なら非居住者扱いで国外所得は課税されない。

180日以上滞在する場合はタイ税法で課税対象になるため注意が必要だ。

チェンマイやバンコクは欧州に比べ物価が安く、日本人にも馴染みやすい環境。

旅行者向けのプログラムゆえに厳密な就労許可ではないため、申請後はタイ国内での就労契約は不可となる。

マレーシアのデジタルノマドパス(DE Rantau)

マレーシアは2023年に「DE Rantau」というデジタルノマド向けプログラムを導入した。

対象はテック系(IT・デジタル職など)と非テック系(経営・経営管理職など)に分かれ、テック系は年収US$24,000以上、非テック系はUS$60,000以上が要件となっている。

滞在許可は「プロフェッショナル・ビジットパス」として3~12ヶ月(初回)で発給され、条件を満たせばさらに更新でき、最大2年の滞在が認められる。

申請には雇用契約書やプロジェクト契約書など所得源泉の証明が必要だ。

扶養家族の同行要件は公表されていないが、プログラムページではデジタルノマドと認められる幅広い職種が例示されている。

税務面では、マレーシアは2022~2026年まで外国源泉所得を免税扱いとしている(国外で課税された所得のみ。2027年以降は課税対象に)。

健康保険の義務はないが民間保険加入が推奨される。

一般に生活費は東南アジア中程度で、東京より安価。英語環境も整っており、多くのノマドから「快適でコスパ良し」と評価されている。

資金要件が高めなので、収入証明が用意できれば比較的容易にビザが下りるとされる。

メキシコのリモートワークビザ代替

メキシコはデジタルノマドビザを公式発給していないが、臨時居住者ビザ(Temporary Resident Visa)を利用するのが一般的だ。

これは最長4年まで滞在可能なビザで、遠隔業務を行う者にも適用できる。

主な申請条件は「経済的安定性」であり、最近の更新で月収$3,737以上または貯蓄$73,257以上を証明する必要がある。

実際の目安としては、居住国によって月収$2,600~$4,400程度とされるケースもある。

家族を帯同する場合は追加の収入証明が必要。

ビザ取得後は初回1年(延長すれば最大4年)の滞在が認められ、メキシコ入国後30日以内に移民局で居住許可証のカードを受け取る。

現地で183日以上滞在すると税務上の居住者となり、全世界所得に課税される可能性があるため、帰国時に外国税額控除など対応が必要。

日本人にとっては米国に近く、テキーラやタコス文化も魅力。

インターネット環境はエリアによりばらつきがあるが主要都市で問題なく、コワーキングスペースも増加している。

利用者は「煩雑な書類が多い」と注意を挙げつつ、慣れれば他国より申請負担は軽いとも評価する。

コスタリカのデジタルノマドプログラム

コスタリカは2022年に「ワーク・リモート・パス(VRP)」を導入し、観光ビザ(90日)を最長1年に延長してノマドワーカーを受け入れている。

申請には月収US$3,000以上(家族帯同はUS$5,000以上)の収入証明が必要で、医療保険(治療費保証50,000USD以上)の加入が義務付けられている。

最長1年の滞在が認められ、事前に延長手続きを行うことで追加で最大6ヵ月延長することも可能だ。

家族連れにも対応しており、収入要件が増えるのみで帯同自体は可能である。

コスタリカ国内では183日未満滞在の場合、非居住者扱いのため外国所得は課税されない。

生活費は他中米より高めだが治安が良好で、人懐っこい自然環境が評価される。

口コミでは「手続きはオンラインで簡潔。日本語情報は少ないが公式サイトやブログで詳細を確認できる」といった声がある。

まとめ:自分のライフスタイルにぴったりの国を見つけよう

デジタルノマドビザは、単なる「長期滞在手段」ではなく、ライフスタイルと働き方を支えるインフラそのものです。

本記事で紹介した11カ国は、いずれもリモートワーカーにとって実用的な条件を備えたビザ制度を提供しており、収入要件・滞在期間・税制・生活コスト・ネット環境など多角的な視点で選べるのが魅力です。

  • 低コストと自由度を重視するなら:タイ、メキシコ、クロアチア
  • 家族と一緒に快適に暮らしたいなら:スペイン、マルタ、ポルトガル
  • ヨーロッパ拠点を築きたいなら:イタリア、ギリシャ、マルタ
  • 税制優遇や英語環境を重視するなら:UAE、マレーシア

いずれの国にも魅力と注意点があり、「条件が良さそう」に飛びつく前に、自分のライフスタイル・働き方・将来のプランと照らし合わせることが重要です。

比較表や各国の詳細情報を参考に、あなたにぴったりのノマド拠点を見つけてください。「住む国を選べる自由」は、これからの時代の大きな武器になります。

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Nomadguide 編集部

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